裁判の日

A3サイズ

シナベニヤパネル

アクリルガッシュ、アクリル、ジェッソ


 

小さなクジラの女王は、亡き王に会うために海を呑み込みながら天を目指す。

海を呑み込み、身体を大きくすれば、あの方も振り向くだろうと信じて。

 

そして、人魚が住む最後の海が呑み込まれるその時、

アリスはクジラの女王と対峙する。

 

「あなたの希望は天にはない。あなたの希望は、」

 

そして、アリスは判決を言い渡す。

 


【作品を制作するきっかけ】
アリス展ということで、不思議の海のアリスを描いてみたいという欲求でこの作品が出来ました。
印象に残っているシーンを描こうと考えた結果、「裁判のシーン」になりました。
改めて読むと、裁判のシーンは本編の最後でアリスが判決を言い渡された瞬間に現実世界に戻るという、本当に一瞬だけの裁判だったことに驚きました。

【モチーフについて】
個々の詳しい設定は長いため最後に記載させていただきます。

【色について】
クジラの女王が目指す幻の光と対峙するように、アリスの足元も光が出ているように描きました。
判決が下る直前のシーンという事で、アリスの足元が消えそうに見えるよう光をぼかして描きました。
アリスが消える前に判決を言い渡せたかどうかは見てくださった方の想像にお任せします。

【最後に】
以下、ストーリーの補足のようなものです。
完全に自己満足の補足なので自由に想像したい方は見ない方がいいかもしれません。

・大きな骨の手
→クジラの女王が見ている亡き王の幻覚です。パール絵の具でキラキラさせて幻影っぽさを表現しました。

・人魚の海
人魚の海は特別で守護する鮫がいるので最後の海になりました。
その鮫は横にいるんですが、塗り重ねすぎてほとんどなにこれ状態になりました。反省しています。
本当はただの岩の予定でしたが、守られている感を少しでも出したいと思い、こういった形になりました。
人魚は珍しく表情を描きました。

・亡き王はとても身体が大きく、女王はとても身体が小さかった。
女王はなかなか王様が振り向いてくれなくて寂しい思いをしたので、亡くなった後でも追いかけていった。
→実は亡き王は身体が大きすぎたため、小さい身体の女王になかなか気付けなかっただけで、本当は心から愛してました。

・クリオネの正体は実は亡き王。
アリスをこの世界に呼んだのもクリオネ(亡き王)です。
正体を匂わせるために王冠を被せようと思ったのですが、サイズもサイズなので諦めて、王の骨と同じようにパール絵の具でキラキラさせています。
「亡くなった私を探しているようだが、あれは幻だ。どうか、王女の目を覚まさせてやってほしい」
とアリスにお願いしてこの作品の場面に至ります。
原作の時計ウサギとはちょっとニュアンスは違いますが、この不思議な国に導く存在として描きました。

・アリス
クリオネ(亡き王)に導かれてクジラの女王を止めに来たクラゲアリス。
表情、手など、髪の毛で隠すことで、色々想像するのも一つの楽しさかなと思います。
女王が現実を見て止まってくれるよう祈っているかもしれないし、女王の息の根を止める武器を持っているかもしれない。
見る人それぞれのアリスがあっていいと思っているので、ご自由に想像していただけたら幸いです。